連隊の新入りシドは我が連隊の属する第4装甲師団の師団長の悪口を酒場でぼやいていた。
その声は酒場中のみんなに聞こえていた。そして酒場にいる連中もそれを笑っていた。
が、しかしその時酒場から師団の腹心ジョシュが出て行った事に気づくものはいなかった。

 後日、「連隊は我が師団に不服があるのか!」
と査問会にかけられ、シドは
「俺個人の言い分なんだから、俺個人を罰せればいいだろ!!」
と叫んでいたが、連隊長のジェルグも罰を受け、連隊も前線から外されるどころか、ほとんど補給線も危うい使い捨ての囮役のポジションに当てられてしまった。

シドは連隊長ジェルグひたすら謝罪した。
ジェルグは言った。
「馬鹿者!しかし、お前の責任は連隊の責任でもある。だからお前の責任は連隊長であるこの俺が受けるのは当然だ!」
「た、隊長・・・・・。」
「いいか、シド。俺達のような騎士は確かに未熟な貴族将校のしたに着く就く事もあるんだよ。しかしな、それを責めてたって男じゃねぇんだ。何も変わりゃぁしない。指揮官が間違った方向に行きそうな時はそりゃぁ諌めるよ。しかしな、間違ったまんまでも一度決まっちまったら、下にいる俺たちはその間違った条件を踏まえてでもそれを成功させるように動くってのが俺達騎士の役目じゃねぇか?」
「ぅぅぅ・・・・。」
「ある王が言った。『余の牛は馬より速い』とな。そんなアホな話はないだろ?だけど臣下である俺たちは『いえいえ王様、馬の方が速いですよ』と言うんじゃなくて、優良な臣下ってのは『どうやったら馬よりも速い牛を生み出す事が出来るかを考えよう!』と言う事になる。」
「そ、それじゃぁ俺たちはいつまでも不本意じゃねっすか!」
「違うな。一度何かが決まる前に俺はお前達の意見、質問を聞かなかったことがあるか?」
「な、ないっす。」
「そうだろ。俺はいつもお前達に意見や質問がないか尋ねる。そこでの反論、諌め、質問などはウェルカムだ。しかしな、一回決まったあとに『あぁ〜すりゃ良かった』と心に思うのは勝手だが大抵は邪魔するだけだから黙っとけ。優秀な騎士ってのはな、一度決まった事には『出来ない理由を考えるんじゃなくって、出来るという理由を真剣に探す』もんなんだよ。分かったか?新入り。これでお前も少しは一人前になってきたかな。」
「ハ、ハイ・・・!」

まだ俺たちがブリタニア本土へJuka遠征に行く前の頃の話だ。
オッサン達が多かったこの連隊。
まだ世間知らずな俺たちにとってジェルグ隊長やギャロ副長たちは若い俺たちにとって父親のようであり、人生の師でもあったんだ。
この時シドは連隊をなぜファミリーと呼ぶのかこの時まさに痛感した出来事だった。


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