今日はいつもの酒場で軽くボトルを半分空けて早々に店を出た。
しかし全く酔っていない。
なぜならば、俺は行くところがあったからだ。
 
アガルタ王国。
ワインが旨いと聞き、そして副長の足取りを追うために晩酌を手短にしてヴェスパーを出た。
事を成し遂げる前に酒を飲むのは連隊の縁起担ぎだ。大事の前に心にゆとりを持たせるためだ。
そして残った半分は無事に帰還したときに祝いの分として残しておくんだ。

 
 アガルタと聞いて大体の場所は聞いたのだが、もう少し詳しく聞くべきだった。
いつものマスターはこんな風に教えてくれた。
「トリンシックの沼地の方です。」
俺は先走って
「おう分かった!」
そんなんで分かるのか?ってんだ・・・。
町の噂を見ればいろんな領があるんじゃねぇか!
(こんな沼地でホントに旨いワインが出来るのかよ・・・・。)
と心配しながらジメジメした湿地を抜けて行ったが、ワインが出来る出来ない以前に店が開いていない結果だった。
 
いいか?
水晶球や伝書鳩を使えば話は簡単に済む。
使いたい奴は使えばいいさ。
便利だからな。
だけどな、俺はぜって〜アガルタのワインを飲んでみせる!
違う!
副長の手がかりを掴んでやる!
それがジェルグ連隊の生き残った俺の使命だと思うからだ。
 
店がやっていないんじゃ予定変更だ。
次に近そうなのはスカラブレイ近くの眠れる龍亭か。
俺は地図を広げながら一服していた。
水の入った皮袋の紐を緩めて少し口を潤した。
本来ならここアガルタで上物のワインをこの皮袋に詰めていけたんだがな。
 
さてとこっから先は結構遠路だ。
危険地帯だがダスタード周辺を抜けて行く。
案の定、危険地帯だけあって、賞金首のかかった無法者が2人ほど追ってこられた。
愛馬ロケットクィーンはどうやら彼らの馬足よりも勝っていたようだ。
少し離れて木陰に隠れてしばらく彼らをやり過ごした。
というのはアガルタからずっと走りっぱなしだったので、さすがの愛馬のスタミナだって限界に近いと思ったからだ。
無法者たちの追跡能力はそれほど高くないようだ。木陰に入ってしばらくして隠れていた俺を素通りし、そのまま走り去っていった。
 
どれくらいだろう。
数分か、数十分経ったのかはわからないが、そろそろ大丈夫そうだなと思い再び愛馬に跨って歩を進めた。
なぜか向こうからさっきの無法者が折り返してきた。
(一体どこまで走っていったんだ!??)
そう思ったのも束の間。
一人は麻痺する魔法だかを俺にいれて来た。
もう一人も麻痺する魔法を俺に入れて来た!
2発の魔法が一辺に入ったため、麻痺解除箱をしびれた腕でこじ開けて麻痺を一回で解除できた。
ふと見ると奴らは馬から降りてボーラを投げようとしていた。
それを見て俺も下馬してボーラを2つやり過ごした。
が、やつらの行動も早い。
すでに呪文を唱えていた。
一人はすでに沼竜に乗って小さな鎌を俺に振りかざしていたが、直前で沼竜から崩れ落ちた。
俺のへヴィークロスボウが直撃したのだ。
その威力は騎乗動物から突き落とすほどの威力がある。
と、同時に飛んできたのが呪いの魔法だった。
さすがに本職の殺し屋2人を相手するほど俺は熟練じゃないのですぐに馬に乗って踵を返した。
運が良かったことに落馬した方は別の魔法を唱えていたため、再びボーラの餌食にならずに済んだ。
走り出したら愛馬ロケットクィーンの方が速かった。
落馬していた方は特に視界には入らず、すぐさま追って来た方の雷の魔法が何度か飛んできたが、大した被害も無かったが、徐々に追いつかれ気味だったのが不安の種だった。
 俺はランスに持ち替えて愛馬を急停止させて間髪入れずに下馬した。
相手は地上からランスも持った俺に慌てて警戒して沼竜から降りた。
ランスによる落馬術。ディスマウント。
しかし俺はそれを使わずに震盪打を放った。
かなりいいダメージが入ったようだ。
すかさず愛馬に跨り馬を走らす。
相手は回復の魔法をすかさず唱えていたが、すでに2馬身ほど差が付いていたのでよほどの事が無い限り、被害は受けないであろう。
奴らが追撃の魔法を唱えたとき、すでに俺は奴らからの視界からは消えていた・・・・。
 
ダスタードを抜けるともうそこはスカラブレイ近郊であった。

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